以前、
「ショートケーキってさ、スポンジのところがおいしくないと嫌だよね!」
と言った人がいました。
「デコレーションだけきれいでも、中がおいしくないとね」
とも。
これって歌に似てるな~と思います。
どういうことかと言うと、昔、ある生徒さんが
「高い声を出したいんです。
もっと高い声を出せるようなレッスンをしてください。
高い声を出すことに特化したような・・・」
とおっしゃっていたのです。
その生徒さんはレッスンでは、高い声も出ていました。
だけど、とても向上心がある方で、
「レッスンで先生がいないと高い声が出せない、というのではイヤなんです。
自分だけで自由に高い声が出せるようになりたい」
「もっと鍛えていただければ、
もっともっと、きれいな高い声が出せるはず」
というお気持ちが強かったんです。
その「もっともっと」という向上心は本当に素晴らしい!!
そんな方って大歓迎です。
ですが私は、その生徒さんの声については、
中間音域をもう少し安定させたいと思っていました。
中間音域をテキトーに歌っていただきたくありませんでした。
高い音だけ(目立つところだけ)張り切ってきれいに出しても、
歌のほとんどを占める中間音域がいいかげんなら
歌全体の仕上がりが残念なものになってしまうから。
まさに、ショートケーキのスポンジのところと同じです。
生クリームやイチゴだけを張り切ってかわいく飾っても、
スポンジがおいしくないと、ケーキとしての仕上がりは残念なものになってしまう。
インスタ映えさえすれば、味はどうでもいい?
そういう人っているらしいけど、私は嫌だな~と思います。
インスタでイチゴのショートケーキを見るたびに、このエピソードを思い出してしまいます。
そして、
「ケーキも歌も、土台が大切だよね~」
と、あらためて思ってしまうのでした。(笑)